マイクロソフトのOutlook(アウトルック)は、ワードやエクセルと一緒に入っており、「予定表」や「連絡先」などとあわせて電子メールのやり取りもできる統合型の個人情報管理ソフトです。
(※)Windows XPまでのOS標準のメールソフトが"Outlook Express"(アウトルック・エクスプレス)でしたが、これは全くの別物です。
Outlookのメール機能を使っている人は、結構多いようです。ところが、Outlookを使う上での困り事があります。それは「Outlookから送られたメールで、あるはずの添付ファイルがない、または、"winmail.dat"という意味不明の添付ファイルだけがついてくる」ということです。これは昔から有名な、「winmail.dat問題」です。
スクリーンショットで示してみます。
まず、Outlookで「リッチテキストメール」で添付ファイルをつけて送信します。
Outlook自身では、赤い四角で囲んだところに、普通に添付ファイルがあることが分かります(Windows 8上のOutlook 2010なのでアイコンが少し変わってますが)。
次に、無料メールソフトとして有名なThunderbird(サンダーバード)。
添付ファイルが「winmail.dat」というものになっています。このファイルは、ダブルクリックしても(通常は)中身を見ることはできません(ファイル名を添付したときのものに変えても見えません)。つまり、受信者から見ると、意味不明の添付ファイルがついてきていることになります。
では、次に、Windows 7の標準メールソフトであるWindows Liveメールの場合。
なんと、添付ファイルが見えません。実は、以前から、Windowsの標準メールソフト(もちろんマイクロソフト製)では、同じマイクロソフトのOutlookから送られた添付ファイルが見えなくなってしまうのです(データとしては消えてないのですが、通常は取り出せません)。
……このように、Outlookからは普通に見えていても、他のメールソフトでは正常に受信できません。
この現象を起こさないためには、送信側で「リッチテキストメールにしない」(テキストメールかHTMLメールにする)のが基本となります。しかし、うっかり(あるいは意図せずに)リッチテキストメールになっていることが結構あるようで、私のところにもwinmail.datが時々届きます。
具体的な対策は、製作元であるマイクロソフトから公表されています。
初心者でもわかる! Outlook 添付ファイルのトラブル対処法 : 送信トラブル 1-3
http://support.microsoft.com/kb/2698214/ja
このページは、スクリーンショットで、パッチ(Fix it)の適用を説明しており、非常に分かりやすくなっています。……実は、上記ページがあるのを知らずに同様なスクリーンショットをとって準備していたのでした。無駄な結果に……。
さて、Outlookの2007と2010だけは、上記ページの対策(Fix itの適用)を行うことで、今後もずっと対策が有効になります。使っている人は、ぜひともこのFix itを適用してほしいなあと思います。「送信相手を困らせない」ために。
しかし、非常に残念なことに、最新のOutlook 2013では、また恒久的な対策がなくなっています(具体的な手順は上のページに書いてあります)。
Fix(修理する)という言葉を使っている以上、マイクロソフトでもこの現象を「故障(不具合)」とみなしているはずなのですが……。
なお、Outlookのバージョンが分からない場合ですが、Outlookの起動時に表示されます。いったんOutlookを終了した上で再び起動して、じっと見てくださいね。
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