「PC」の今後(1)~有線LANと外部ディスプレイ接続~

作成:2012年9月10日

この「雑談」欄では、主にパソコン要約筆記とITの関連について書いていきたいと思います。

事実上の初回では、今後のPCの出力ポートについて書いておきます。

現在のPCは微妙な情勢に立たされています。スマートフォンやタブレットによって、その位置づけが脅かされている、というのが基本的な前提でしょう。

そんな情勢下で、PC業界を率いる一方の雄であるインテルは、「ウルトラブック(Ultrabook)」を推しています。

Ultrabook : 薄型で洗練されたデザインに、極めて優れた応答性を実現。
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/sponsors-of-tomorrow/ultrabook.html

Ultrabook - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Ultrabook

ウルトラブックは、ざっくり言えば「薄型のノートパソコン」です。重さや広さの制限はないため、14インチ級でも1.5kg以上でもいいんですね。薄い方がカバンに入れる時も便利ですし、まあ、はっきり言うと、見た目が格好いい(と思われている)んでしょうね。

さて、薄くする場合、当然のことながら制約が出てきます。まじめに考えると熱設計が厳しくなるだろうと思うのですが、その辺は優秀なインテルさんの技術で対応できるとして、次の問題は、背の高い部品です。

実際に発売されているウルトラブックを見ていると分かるのですが、多くの機種では、外部出力が一部削られています。その筆頭格と言えるのが、VGA出力と有線LANでしょう。日本メーカーの機種では比較的残っているように思いますが、海外メーカーはかなり大胆にカットしている印象があります。

ウルトラブックのターゲットは、少なからず消費者だと思います(企業内の机に常時置いてあるだけなのに、薄型だったりバッテリー強力なのは、コスト面で無駄ですよね)。消費者の多くは、今やネットワークは無線LANで接続しますし、元々ノートPCでVGA出力なんて使っていないはずです(ノートPCでVGA出力していたのは、主に、出先でプレゼンテーションをするビジネスマンや一部の大学関係者でしょう)。

そもそもインテルを含めてPC業界は、全体としてはVGAを終了させる意向です。

PCのアナログRGB出力が2015年までで終了へ -AV Watch
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101209_412946.html
Intel/AMDなど大手6社、2015年までにVGAインタフェース廃止へ | パソコン | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2010/12/10/112/index.html

しかし、要約筆記の観点からは、両者がなくなるのは痛いところです。

mekikuで無線LANに対応しているものの、有線LANはパソコン要約筆記のネットワークの基礎として使われてきています。信頼性も無線よりははるかに上です。

また、VGA出力はスクリーン投映では必須です。HDMIが普及しているといっても、スクリーン投映に用いるプロジェクターの世界ではHDMIはまだ普及し始めている段階ですし、プロジェクターは、少なくともPCよりは長く使われる傾向にあります。少なくとも私が要約筆記の現場で見るプロジェクターのうち、HDMI入力をもっているものは、2012年半ば現在ではほとんどありません。

有線LANについては、USB有線LANが安価(店頭で1,000~2,000円程度かな)で購入できます。そのため、比較的影響は限定的になるでしょう。

VGA出力は少々面倒です。USB接続の外部機器は、いくつか出ています。

USB VGA出力 - Google 検索
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&biw=&bih=&gbv=1&q=USB+VGA%8Fo%97%CD

しかし、これを使うと、ちょっとPCの動作が重くなるかもしれません。非力なPCだと、実際、そうなります。

というわけで、今回のまとめは次の2点です。
・有線LANのない機種を買ったら、USB有線LANを忘れずに
・今後、表示用パソコンを新たに購入する場合には、VGA出力の有無に注意

初回は有線LANとVGA出力という、微妙な立場にある2つの外部出力について書いてみました。次回はPC本体の大切な部分の話です。


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